志鷹美紗さんの CD 紹介 ⑤( 最終回 ) – 「 BEETHOVEN APPASSIONATA 」

今回のブログは 志鷹美紗さんの CD 紹介シリーズ第5弾です。先日から続けてきたこのシリーズも今回が最終回。最終回で取り上げるのは、志鷹美紗さんの4枚目のソロアルバムとなる「 BEETHOVEN APPASSIONATA 」 です。

この CD のタイトルを見て、クラシック音楽が好きな方ならすぐに、ベートーヴェンの『 熱情 』だとわかるでしょう。ベートーヴェンの ピアノソナタ第23番 は通称『 Appassionata [アパッショナータ]』( イタリア語 ) と呼ばれ、その日本語訳が 『 熱情 』 ですね。

この CD は、2012年・2014年・2015年にかけて複数の会場で志鷹さんが演奏された曲の中から、ベートーヴェンの3つのピアノ・ソナタを1枚の CD にまとめたもので、志鷹さんの3枚目のソロアルバム 「 Romantic Collection ~ La Campanella ~ 」 と共に 2016年5月8日 に同時リリースされました。( 「 Romantic Collection ~ La Campanella ~ 」 については 2019年9月10日 のブログ に書きました。)

この CD の収録曲は以下の通りです。


■ ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 作品2-2

01.第1楽章 Allegro vivace
02.第2楽章 Largo appassionato
03.第3楽章 Scherzo: Allegretto
04.第4楽章 Rondo: Grazioso

■ ピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」ハ長調 作品53

05.第1楽章 Allegro con brio
06.第2楽章 Introduzione: Adagio molto
07.第3楽章 Rondo: Allegretto moderato-Prestissimo

■ ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」 ヘ短調 作品57
08.第1楽章 Allegro assai
09.第2楽章 Andante con moto
10.第3楽章 Allegro ma non troppo – Presto


こちらの CD の曲目解説と推薦コメントも音楽評論家の渋沢明さんが書かれています。

このブログのプロフィールにも書きましたが、僕はクラシック音楽の作曲家の中では、特に ベートーヴェンとショパンが好きです。 15歳( 中学3年 )の夏休みに ベートーヴェン の『 幻想曲風ソナタ( 月光 )』第1楽章を聴いたことがきっかけでピアノの音色が好きになり、それ以来いろいろな作曲家の曲を聴いてきましたが、特にベートーヴェン とショパンの曲には何度も救われてきました。

ですので、初めて 志鷹さんのウェブサイト を見たとき、志鷹さんがベートーヴェンとショパンの曲の CD を出されていることを知り、とてもうれしかったです。

↓ 志鷹さんの CD 画像一覧です。

さらに、志鷹さんの演奏との出会いにもベートーヴェンとショパンの曲が大きく関わっています。これもプロフィールに書きましたが 、僕は You Tube で 志鷹さんが演奏するショパンの『 バラード第1番 』を聴いたことがきっかけで志鷹さんの演奏が好きになり、初めて行った志鷹さんのリサイタル( 2018年9月8日 /東京公演 )で、志鷹さんが演奏する ベートーヴェン の『 幻想曲風ソナタ( 月光 )』 を聴くことができました。このことについて、僕は 2019年3月28日のブログに次のように書きました。( ブログタイトル『 幻想曲風ソナタ( 月光 )第1楽章 からすべては始まった。』)

『 幻想曲風ソナタ( 月光 ) 』第1楽章との出会いは15歳の夏に始まり、2018年9月8日(土)に銀座ヤマハホールで 志鷹さん によるこの曲の生演奏が聴けたことで大きな実を結びました。これからもこの曲を大切にしていきたいと思います。

ショパンの曲がきっかけで志鷹さんの演奏に出会うことができて、初めて行った志鷹さんのリサイタルではピアノの音色を好きになるきっかけになったベートーヴェンの曲を聴くことができたという幸運・・・志鷹さんの演奏との出会いに運命を感じずにはいられませんでした。

そして、2018年9月8日(土)に 志鷹さんのリサイタル会場で志鷹さんの CDをすべて買い揃えた後、自分の部屋や寝室、車の中や大自然の中など、いろいろな場所で志鷹さんの CD を毎日観賞するという生活が始まったのでした。


ベートーヴェンは生涯に32曲のピアノ・ソナタを作曲しました。そのうち、今日取り上げている CD 「BEETHOVEN APPASSIONATA 」 に収録されているのは、 第2番 第21番第23番 です。この3曲を含め、 ベートーヴェン が作曲したピアノ・ソナタの一部を、それらが作曲された年とともに挙げてみます。

・第2番:イ短調( 1795年 )

・第8番:『 悲愴 』( 1797年~98年頃 )

・第14番:『 月光 』( 1801年 )

・第17番:『 テンペスト 』( 1802年 )

・第21番:『 ワルトシュタイン 』( 1804年 )

・第23番:『 熱情 』( 1806年 )

これらの数曲を見ただけでも、創作にかけるベートーヴェンの絶え間ない情熱がわかりますね。様々な苦悩に直面しながら、それらの苦悩さえも創作につなげていく情熱は本当にすごいと思います。

第2番 イ短調 について、渋沢明さんはこの CD の解説の中で「 曲集の中では最も明快で若々しさに溢れている。」と書かれています。この曲がベートーヴェンの創作時期の初期に作られたことや、この曲の後にさらに偉大な名曲の数々が作曲されていったこと等を想像しながら聴くと、この曲の深みがさらに増すように思います。

第21番 『 ワルトシュタイン 』 はベートーヴェンの創作時期の中期に作曲された曲の中でも 第23番『 熱情 』と同様に特に人気のある曲ではないかと思います。ベートーヴェンがドイツのボンからウィーンに移住する際に後援者として ベートーヴェンを支えた ワルトシュタイン伯爵に献呈された曲として有名ですね。

ベートーヴェンの曲といえば、急激な強弱の変化が特徴的な曲が多いですが、この『 ワルトシュタイン 』もそのような曲のひとつです。

この CD における 志鷹さんの 第2番 イ短調第21番 『 ワルトシュタイン 』 の演奏は、全体的にまとまりのある構成で、大変聴きやすく、主題の表現や曲の展開の上手さも、さすが志鷹さんという感じの演奏です。

YouTube で志鷹さんによる 『 ワルトシュタイン 』 の第3楽章の演奏を視聴できます。↓


そして、この CD の最後の曲は ピアノ・ソナタ第23番 『 熱情 』です。 志鷹さんが演奏する 『 熱情 』 は、言葉で表現するのが難しいぐらい、本当に素晴らしいです。

渋沢明さんの推薦コメントを引用します。

” 志鷹美紗の強い精神力・音楽性を感じる演奏 ”

すべての要素を必要とするベートーヴェン: ” 熱情 ” 。この難曲を正面から捉え、第1楽章の冒頭から非常に強いアプローチで進行した後、終盤ではややテンポを速めながら、第2楽章に入る。主題の静かな歌の様な表情を醸し出しながら進め、急に強烈なフォルテッシモによって第3楽章へなだれ込む。実によく考え抜かれた演奏である。この曲が ” 熱情 ” と言われるドラマティック性・内面から溢れ出るエネルギーが途切れる事無く終楽章まで維持された、志鷹の強い精神力・音楽性を感じる演奏であった。

この曲が ” 熱情 ” と言われるドラマティック性・内面から溢れ出るエネルギーが途切れる事無く終楽章まで維持された、強い精神力・音楽性を感じる演奏 」・・・まさにその通りだと思います。あまりにスケールの大きいこの難曲を第1楽章から第3楽章まで途切れることなく演奏するのは本当に大変だろうと思いますし、ご自身が長い年月をかけて構築してきた音楽性をこの難曲の中でこれだけ表現できるのはすごいことだと思います。

『 熱情 』第1楽章 と 第3楽章 については You Tube でも志鷹さんの演奏を視聴できます。第3楽章 の演奏に寄せられているコメントのいくつかを共有します。

女性がこの曲を演奏するには本当にパワーがいります。癖のない素晴らしい演奏です。

澄み切った音色と端正な表現、強靭なタッチと正確な音程。強く演奏する箇所があると思えばさっと力を緩める豊かな表現力で感動した。ベルリンで4年間ディプロマコースで良き伝統を身に着けてきた成果に感服 !!!

素晴らしいの一言。男性の体力で弾き終えるだけでも大変なパートなのに、あれだけ表現力豊かに感情込めてパフォーマンスできるのがすごい。bravo ‼︎

その演奏がこれです。↓

演奏の素晴らしさに加えて、この時の志鷹さんが演奏する姿は最初から最後まで気高さと崇高さに満ち溢れています。音楽への強い愛情と作曲家に対する心からの敬意があるからこそ、これだけの演奏ができるのでしょうか。この演奏動画は後世まで残ってほしいです。

そして CD でも同様に ベートーヴェンの演奏者としての 志鷹さんの最高の演奏を聴くことができます。心からおススメします。僕はこの CD を志鷹さんのリサイタル会場で購入しましたが、志鷹さんのウェブサイト からでも購入できます。

志鷹さんの4枚目のソロアルバム「 BEETHOVEN APPASSIONATA 」の紹介は以上です。


これで 志鷹さんの全5回にわたる CD 紹介シリーズ はすべて終了です。毎回その時にご紹介したい志鷹さんの CD を聴きながら記事を書きましたが、とても有意義な時間でした。改めて音楽はいいなと思いました。

次回のブログでは、志鷹さんが先日(9月9日 )に電話出演されたラジオ番組のことを書きます。


↓ 志鷹美紗 ピアノリサイタル情報( イープラス )

東京公演:9月23日(月・祝)開演14:00 ⇒ あと8日!

広島公演:10月12日(土)開演15:00 ⇒ 1ヵ月を切りました!

志鷹美紗 ウェブサイト

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ピアノ愛好家。特に好きな作曲家はベートーヴェン、ショパン、ジョージ・ ウィンストン。ピアニストでは志鷹美紗さんの演奏が一番好きです。田舎暮らし。読書と動物と美術鑑賞も好き。