手の指をやけどして想像したピアニストの体調管理の苦労

2週間前、右手の人差し指、中指、薬指をやけどしました。ひどく痛んだのですぐに外科で診てもらったところ、全治2週間~3週間とのこと。

僕は利き腕は右手なので、やけどで突然右手が使えなくなり、生活のあらゆる場面で不便が生じました。 今日で2週間が経ちましたが、だいぶ良くなり、やっと右手でタイピングできるようになりました。

こんなにひどいやけどは人生初でしたが、これを機に、やけどについて少し勉強してみました。

やけどの深さは Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度と3つに分類されるのですね。

Ⅰ 度 の やけど:表皮( 皮膚の表面 )までの損傷で、皮膚が赤くなり、ひりひりした痛みを伴う。通常3~4日程度で赤みが減少し、やけどの跡を残すことなく治る。『 日焼け 』は『 Ⅰ 度のやけど 』に相当する。

Ⅱ 度 の やけど:真皮( 表皮の下の皮膚 )に達する熱傷で、水疱ができ強い痛みを伴う。治りが早い 『 浅達性 II 度熱傷 』と、治りが遅い『 深達性 II 度熱傷 』に分けられる。

Ⅲ 度 の やけど:皮膚がすべて損傷された状態で、一見通常の皮膚と変わりなく見えることもあるが、よく見ると表面が青白く、神経まで焼けてしまうため痛みも感じない。 やけどが治ったあともケロイドなどのキズ跡が残る。

この図は 慶応大学病院 医療・健康情報サイト から引用させていただきました。

僕のやけどについて主治医に尋ねたところ、3本の指とも Ⅱ 度の『 浅達性 II 度熱傷 』に相当するとの所見でした。

やけどって、痛みを感じる方が軽くて、痛みを感じない方が重いのですね。確かに、痛みというのは神経の働きによるものなので、痛みを感じるというのは神経が正常に機能している証拠。そう考えると、痛みを感じる僕のやけどは重いやけどではないのだと安心できましたが、主治医の所見を聞くまではやけどの程度がわからず、不安でした。

今回やけどを経験して、ピアニストの体調管理の苦労について想像しました。

ピアニストは手の指や手首、腕を始め、演奏の支障になりかねないようなケガをしたり体調をくずしたりしないように、日頃から細心の注意を払っていることと思います。特に、公演を控えている時期に身体やメンタル面を最良の状態に保つのは、すごく大変なことではないかと思います。

本人にまったく落ち度がないケースを除いて、体調不良やケガを言い訳にできないのが、プロの厳しい世界。コンサートホールやCDなどで聴くことのできるピアニストの素晴らしい演奏の陰には、ピアニストの日頃の並々ならぬ体調管理の苦労があるのだということを、改めて思い知った次第です。

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ピアノ愛好家。特に好きな作曲家はベートーヴェン、ショパン、ジョージ・ ウィンストン。ピアニストでは志鷹美紗さんの演奏が一番好きです。田舎暮らし。読書と動物と美術鑑賞も好き。